㉒ 放射線の皮膚障害

退院の日、先生からこう説明を受けた。

「放射線の影響は、時間がたってから出ます。」

その時の私は、治療が終わった安心感のほうが大きく、その言葉を深く考えてはいなかった。

退院直後は特に異常もなく、このまま落ち着いていくのだと思っていた。

ところが、退院から十日ほど過ぎた頃だった。

最初に異変を感じたのは、アプリケーターを入れていた傷口だった。

傷口は赤黒く炎症を起こし、熱を持ち、強いかゆみが出てきた。一番つらかったのは、この傷口の痛みとかゆみだった。

かゆいのに、かけない。

傷口だから思い切り触ることもできず、我慢するしかなかった。そのもどかしさが、本当につらかった。

さらに同じ頃、放射線が当たっていた胸から脇、背中にかけても赤みや熱感が出始めた。

治療を受けたのは春から夏へ向かう時期だったこともあり、夜は特に寝苦しかった。熱を持った皮膚や傷口が気になり、ゆっくり眠れない夜もあった。

日に日に傷口の赤みが強くなり、不安になった私は近くの皮膚科を受診した。

先生からは、「大学病院で治療しているなら、そちらで診てもらったほうがいいと思います」と言われた。それでも不安だった私はお願いして軟膏を処方してもらった。

しかし、軟膏を塗っても症状はほとんど変わらなかった。

次の大学病院の診察で診てもらうと、傷口が炎症を起こしているとのことで化膿止めが処方された。

その後、炎症は少しずつ落ち着いていった。

ただ、完全に元どおりになったわけではない。

放射線が当たっていた脇から背中にかけては、今でも少し硬さが残っている。そして、ときどきチクッとかゆくなることがある。

頻繁ではない。それでも、その小さな違和感は、治療を受けた証のように今も残っている。

それでも、SAVI治療が終わり、炎症も落ち着くと、あとは定期検診を受けながら経過を見ていく生活になった。

治療の真っただ中にいた頃と比べれば、本当に楽だった。

「治療が終わったんだ。」

そう思えたことが、何よりうれしかった。

放射線治療後や時間差で出る皮膚の症状に備える方へ(この経験から伝えたいこと)

治療が終わった安心感から油断してしまいがちですが、放射線の影響は後から現れることがあります。

  • 「時間がたってから症状が出る」心構えを持つ: 退院直後に異変がなくても、数日〜十日ほど経ってから赤みやかゆみ、炎症が出てくるケースがあります。「こういうものだ」と事前に知っておくだけで、慌てずに対処できます。
  • 不安なときは一人で我慢せず受診を: 市販の軟膏などで自己判断せず、痛みが強いときや不安なときは、主治医や病院に相談して適切な処置(化膿止めの処方など)を受けることが大切です。また、治療跡に残る小さな違和感も、自分が頑張ってきた証として、どうか無理をせず労わってあげてくださいね。
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この記事を書いた人

はじめまして、凪です。

「凪の森」は、私が学び、経験し、役に立ったことを、できるだけ分かりやすく残していく場所です。
乳がん経験を機にFP3級を取得(現在2級勉強中)

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