遺伝子検査の結果を聞くため、病院を受診した。
検査を受けてから結果が出るまでの時間は、とても長く感じた。
診察室に入ると、主治医は結果を確認しながら、あっさりと言った。
「丈夫でしたよ。」
続けて、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(BRCA1・BRCA2)の病的変異は見つからなかったと説明を受けた。
その言葉を聞いて、私はほっとした。
真っ先に浮かんだのは、娘と孫の顔だった。
母も乳がん。母の妹も乳がん。そして私も乳がんになった。
だからこそ、「遺伝なのではないか」という思いは、ずっと心のどこかにあった。
病的変異は見つからなかった。
その結果は、私に大きな安心を与えてくれた。
一方で、家族に乳がんが多い理由は分からないままだった。
当時の私は、ストレスも関係していたのかな、と考えたこともある。
もう一つ、気になっていたことがあった。
がんが見つかった場所は、ブラジャーのワイヤーの端がいつも当たり、「痛いな」と感じていた場所だった。
もちろん、それが原因だったという根拠はない。
それでも、「何か関係があったのだろうか」と考えずにはいられなかった。
結局、その答えは分からなかった。
それでも、遺伝子検査を受けたことに後悔はない。
原因は分からなくても、遺伝性ではないことが分かった。
それだけで、不安は一つ減った。
検査を受けたからこそ得られた安心だった。
これからは毎日ホルモン剤を飲み、定期的に診察を受けながら経過を見ていく。
治療は続く。
それでも、一番大きな山は越えたのだと思えた。
ここで私は、ようやく一つの区切りを迎えることができた。
遺伝子検査の結果を待つ方や、一つの区切りを迎える方へ
(この経験から伝えたいこと)
結果が出るまでの数日間は、頭から離れない不安や恐怖で押しつぶされそうになるものです。
- 結果を受け止めるための心構え: どんな結果であれ、検査を受けると決めて一歩踏み出したご自身の行動は、これからの治療や心の安心につながる大切な選択です。結果を聞くときは、信頼できる人に付き添ってもらうなどして、一人で抱え込みすぎないようにしてください。
- 「山を越えた」自分を労わる: 検査結果が出て一区切りついたあとも、ホルモン剤の服用や定期診察といった治療は続いていきます。だからこそ、「ここまでよく頑張ってきたな」と、ご自身の心と体をまずはたくさん労ってあげてくださいね。

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