乳がん番外編④ がん保険を解約した日

治療が終わった頃、私はがん保険を解約した。

きっかけは、保険料だった。

加入していたがん保険は、5年ごとに保険料が上がる仕組みだった。ちょうど値上がりの時期を迎え、このまま続けるかどうかを考えることになった。

診断給付金200万円は、結果としてほとんど使わずに治療を終えることができた。

それでも、あのお金があるという安心感は、治療中の私にとって何より大きな支えだった。

一方で、実際に乳がんを経験したことで、高額療養費制度の仕組みや、治療費がどのようにかかるのかも知ることができた。

保険があったから安心して治療を受けられた。

そして治療を終えた今、その役目は終わったのだと思えた。

最後のPET-CT検査を終え、ホルモン療法も終了したタイミングで、私は保険会社へ電話をかけた。

電話口の担当者はこう言った。

「今解約すると、もう二度とがん保険には入れませんよ。本当にいいんですか。」

もちろん、その意味は分かっていた。

それでも、私の気持ちは変わらなかった。

「はい。お願いします。」

そう伝えて、がん保険を解約した。

この選択が正しいかどうかは、人それぞれだと思う。

年齢や家族構成、貯蓄額、考え方によって答えは変わる。

だから、誰かに解約を勧めたいわけではない。

ただ、私にとっては、この保険は十分に役目を果たしてくれた。

診断された日から治療が終わるまで、お金の不安を大きく減らしてくれた。

その安心があったから、お金ではなく治療を基準に選ぶことができた。

だから今でも、あの保険には心から感謝している。

役目を終えた保険を、感謝しながら見送った。

そして今も、その判断を後悔していない。

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この記事を書いた人

50代会社員。
お金、働き方、人生のこと。

答えを探しながら、
凪の森を書いています。

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